boku 家具職人
松延 琢矢
Takuya Matsunobu
予想の斜め上をいくアイデアを、 家具職人として 形にしていく仕事は、 最高に難しく、最高に面白い。
同世代のプロダクトデザイナーである久保川はいつも、予想の斜め上をいくアイデアを持ってきます。
そのアイデアと向き合い、家具職人として、木材のプロとして、形にする方法を考え続けるのが、私の仕事。
どのような木取りが適切か。
どの部分を機械で加工し、どの部分は手作業で仕上げるか。
boku の目指す世界観を大切にしながら、家具としての機能性や生産現場の効率性も高めていきます。
誰もが納得できる家具を完成させることは簡単ではありません。
手を動かし、頭を動かし続け、理想を追い求めています。
企画から生産、販売まで自社で完結。
若手主体。様々なプロとの共同作業。
これからの時代の家具づくりのあり方も模索できたら。
最高に難しく、最高に面白い挑戦です。
b o k u は、自分の人生に大きな胸の高鳴りをもたらしてくれました。
家具業界にも、世の中にも、大きなインパクトを残したいです。
boku プロダクトデザイナー
久保川 瀬硝
Segara Kawakubo
気づいたら、 九州に移住していた。 職人さんの真横で デザインに打ち込んだ日々は、 一生の宝もの。
もともと、家具のデザインが専門ではありません。
だけど、b o k u のコンセプトを聞き、大川の家具職人たちの技術の高さを目の当たりにし、「一緒につくりたい」と強く思ってしまったのです。
気づくと、東京から九州に移住。
職人さんの真横でデザインに打ち込む日々が始まりました。
「箱ものと呼ばれる収納家具に細い脚をつけたい」「大川組子のパーツを分解し、照明家具をつくりたい」青二才のボクの突拍子もないアイデアに職人さんたちは驚き、戸惑いながらも、熟練の知恵と技術を重ねていってくれました。
主張しすぎない家具が好まれがちな時代。
b o k u には、節の個性も、色も、光も、脚もあリます。
でも、その唯一無二の家具に自分らしさを見出し、自分だけの空間を愉しんでもらえたら。ここでの家具づくりの経験は、私の一生の宝ものです。
boku グラフィックデザイナー
箱山 伽野
Kano Hakoyama
bokuは、 おじさんじゃない。 若い人の心に響く 新しい家具の世界観を つくりたかった。
スズメを象徴としたb o k u のロゴマークは、私がグラフィックデザイナーとして初めて手がけた仕事です。
ロゴマークは、ブランドの世界観を体現する重要なもの。
まだ家具のデザインも何一つ定まっていないなか、すべてが手探りの挑戦が始まりました。
ただ、最初から一つだけ決めていたことがあります。
b o k u をおじさんのイメージにしないということ。
よく見かける渋い職人家具とは一線を画した若い人の心に響く新しい家具をつくりたいという思いだけは揺るぎませんでした。
とはいえ、依頼してくれた社長さんにこのロゴマークを初めて見せたときは驚いていましたね。
家具づくりにおけるグラフィックデザイナーの役割は、「bokuらしいか、どうか」を判断すること。
この仕事を通して、異なる視点や能力を持つ人たちがチームを組み、一つのものをつくり上げる素晴らしさも経験できました。
bokuが大きく羽ばたく日を楽しみにしています。
boku CRAFTSMANS
boku
代表取締役社長 / 家具職人
酒見 俊郎
Toshirou Sakemi
完成までの工程も物語も、 bokuの家具とともに 世の中に伝えていきたい。
創業者である先代がこの世を去ったのは、私が17歳のとき。
以来、「丸庄の家具を世の中に届ける」と決心し、今日まで走り続けてきました。
私たちの事業の柱であった婚礼家具の需要が減ってしまってからは、テーブルや椅子など、脚付きと呼ばれる家具の制作にも挑戦。
新しい販路を確保するため、全国の百貨店を駆け回ることもありました。
それでも私たちは、「良いものをつくりたい」「本物を届けたい」という家具職人としての誇りだけは絶えず胸に持ち続けてきたのです。
しかし、長い月日の中で知識や技術が磨かれる一方、家具づくりに対する考え方は、凝り固まってきているのではないかという危機感も生まれていました。
boku は、そんな丸庄が踏み出す新たな第一歩。
ヒッコリー材を使うことも、大川組子を採り入れることも家具づくりが専門ではない若手クリエーターにデザイン監修を依頼することもすべてが初めての挑戦です。
そして、私はこの挑戦を会社のためだけでなく、bokuに関わるチーム全員のための挑戦にしたいと考えています。
社長としてできることは、職人の誇りを失わず笑いながら、楽しみながら、大川の家具づくりの魅力を伝えていくこと。
bokuは若手と熟練のメンバーが一緒になり、大川の家具づくりをチームで進化させていくプロジェクトでもあります。家具だけでなく、制作のプロセスやそこで起こる様々な出来事も語っていくことで、大川のまちに、家具づくりの業界に新しい風を吹かしていきたい。
「bokuの家具とその物語を世の中に届ける」。
新たな決意を胸に、チームbokuの新たな挑戦がはじまります。boku
組子職人
木下 正人
Masato Kinoshita
若手のアイデアと 職人の技が相まって、 bokuも大川組子も また一つ進化した。
約300年の歴史を誇る大川組子。
私自身も32年の歳月をかけて職人の技を磨き続けてきました。
その中で、大川組子と大川家具の組み合わせは、このまちにしかできないこと。
そして、私もずっと前から思い描いていた夢の一つでした。
bokuの制作にあたっては、このチームだから挑戦できたこだわりをたくさん散りばめました。
たとえば、家具に組み込まれている「枡つなぎ」という模様。
この模様は難易度が高く、制作にも相当の時間を要します。
しかし、若手クリエーターたちの「ヴァナキュラー・モダンのコンセプトを実現するためには絶対に必要です」という熱い想いを受けて、挑戦することにしました。
さらに、「段つき」という組子の内側の木材を1~2ミリ深く削り込む技術を取り入れたり、組子のパーツを分解して立体的に組み立ててみたり。
職人の私たちだけでは思い付かないアイデアを若手クリエーターたちが次々と投げかけてくるため、「どうしたら実現できるか」「どうやってつくるべきか」と考え続ける日々はとても刺激的でしたね。
そして、完成したbokuの家具を見たとき、クリエーターたちがあれほどにこだわった理由がよくわかりました。
大川組子の魅力がこれまで以上に引き出され、モダンな家具にしっかり馴染んでいる。
bokuを通して大川組子もまた一つ進化を重ねたのではないでしょうか。
この地ならではの伝統工芸が、日本中、世界中の人々の暮らしの中に広まっていくのが楽しみですね。
boku
ブランドマネージャー / 家具職人
島崎 智成
Tomonari Shimazaki
bokuは家具であり、 空間をつくるアート。 そして、 私たちの会社を 大きく変える存在だ
ブランドマネージャーは、bokuのブランド全体を統括する仕事。
プロダクトデザイナーのアイデアを具現化し、グラフィックデザイナーの世界観を実現するために必要なあらゆることを考えます。
また、家具を商品として、お客さまのもとに安定して届けるためには、作業場でどのような体制や仕組みを構築し、どういう流れで組み立てていくべきか。
家具職人たちとも毎日のように議論を交わしています。
目指しているのは、若手クリエーターと熟練の職人をつなぐ架け橋のような存在。
とくに、bokuの場合、箱もの家具に脚をつけるという発想や、「空間家具」という初めて耳にする言葉に戸惑うことも少なくありません。
しかし、若手クリエーターたちの瑞々しい感性や圧倒的なエネルギーは、熟練の家具職人たちの心にも新たなものづくりの火をつけ、創業75年を超える私たちの会社を大きく変える力さえ持っていると感じています。
先日、ようやくbokuの商品シリーズの第一弾が一通り完成し、ショールームに並べることができました。
その様子を眺めながら改めて感じたのは、bokuは家具であり、空間そのものをつくることができるアートだということ。
そして、私たちの会社が目指していたものだということ。
一人でも多くのお客さまに、bokuの世界を楽しんでもらえたらと思います。
boku
アートディレクター
紫牟田 興輔
Kosuke Shimuta
boku
ライティングデザイナー
武石 正宣
Masanobu Takeishi